【d!】前世は打ち首今世は入れ替わり (ページ8)

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本日、二度目のおはようを迎えたA。
外からはカラスの鳴き声が聴こえてきて窓から差し込む光は夕方を彷彿とさせる茜色。実際に夕方だったのだが。

部屋は朝から同じで自分はコネシマであった。視界がぼやけていたのもコネシマの視力が低いからで眼鏡を探して掛ける。

眼鏡を探す眼鏡が欲しいというのはこういう状況かと１人で納得した。

まだ、体はダルいが取り敢えず何から考えたものか。

あの夢は前世のもので私は国家反逆罪、総統の暗殺未遂によって打ち首が決まった。悪いがそんなことしていない。一般的に言う冤罪というやつで明らかに国側の調査ミスである。それに振り回され頸が飛んだ。

__正直もう会いたくなかった。過ぎたことだと言っても私を殺したやつらの１人だ。あの頃のように尊敬なんてしてないし、嫌悪感は拭えない。

「こんな形で再開するなんて」

なぜか見た目はコネシマ、中身はAになっている。Aは苦々しく笑った。
まさかの前世の記憶説が正しかったなんて。厨二病も侮れない。

「前世を思い出したと思ったらコネシマになってるなんて情報量が多すぎる…」

自分が喋るとコネシマの声が聴こえてきて脳ミソがバクを起こしそう。独特の方言じゃないのにも違和感がある。

眼鏡を掛けて視界がクリアな状態でもう一度部屋を見渡すとシンプルだがしっかりと学生の部屋だった。
本棚には高校生数学Ⅰ、高校生数学Ⅱなど教科書が並んでいて高校生だということがわかる。

辺りをみていたら、着信音が部屋に響く。驚いて音の鳴る方へ振り返るとベッドの上でスマホが振動していた。着信元を確認するためスマホを手に取る。

そこには着信元'ロボロ'と表示されていた。