【d!】前世は打ち首今世は入れ替わり (ページ7)

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不思議な気分だ。
自分が全くの別人になっていること焦りはあるはずなのに驚くほど冷静だ。
確かに顔は良いが見とれている訳でもなく
けど、なぜか視線を外すことができない。

何処かしこりが残るかんじで、私はこの人のことを知っている気がする。

勘違いでも構わない。
今自分の身に起きていることには謎が多すぎて何でもいいから知りたかった。確実な情報が欲しかった。

何かヒントさえあれば。

「そうだ、名前。名前がわかれば…」

名前が書いてある物を探そうとする

「何でもいいから…」

再び立ち上がろうとすると床にはプリントと付箋が落ちている。さっき滑ったやつだ。
こんな所に起きやがって、怪我でもしてたらどうするんだ。

拾って詳細を確認すると学校からのプリントだとわかった。
小テストの追試について書かれている内容からは数日休んでいたことが示唆されている。

付箋には友達らしい人からのメッセージが書かれていた。
早く元気になれよ的なこと+煽りが書いてある。

メッセージは'コネシマへ'と始まっていて

「コネシマ……そう、だ、コネシマ…さま」

今まで気掛かりだった頭の中の霧が晴れていく。だが反対に鮮明な記憶が駆け巡る。全てが良い思い出な訳なく、思い出したことに喜びは感じられずむしろ今の自分に追い討ちを掛ける形となった。

長年の悪夢で頸が飛んでいたのは紛れもなく私だった。

嫌悪感と憎悪が数百年ぶりに再び体を蝕む。

「ぅう゛………なんか、気分わ、わ、るぃ……」

情報量と激しい情緒の変化に頭と体が耐えられなくなって、私はその場に倒れた。