【d!】前世は打ち首今世は入れ替わり (ページ5)

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幼い頃の軽い事故がキッカケで療養期間にこの夢をみた。当時は恐くて寝ることが嫌で母に泣きついたり親に黙って夜更かしをしたほどだ。今はもう大丈夫、なんて言うと嘘になるが。

夢の長さはその日ごとに変わる。
はっと目が覚めたりぼんやりとした感覚だったり。夢の中身だって頸が固定されたと同時に覚めることもあれば斬られる手前に起きることもある。

今回はより鮮明な方だ。

この夢は誰視点で進んでいるのか
場所は一体どこなのか、なぜ毎回処刑される夢なのかわからないことが多い。

その癖、やけにしっくりくる周りの西洋風の建物や人々の服装。聞き馴染みのある総統とかいう人の声。
知らないはずなのにどこか懐かしさを感じる。

この違和感から只事じゃないことはわかるがそれ以外はなんとも言えない。

インターネットで調べてもろくな成果は出ず結局ネットサーフィン。
市民図書館に行ったりもしたが途中からめんどくさくなって気になっていた小説を読んで一日が終わった。

そんな中、私がたてた仮説は別の世界線の私の記憶説or前世の記憶説。
なんとも厨二病らしい考えだ。

ここまでくると頭が痛くなってくるし、慣れた感じは若干ある。モヤモヤする部分もあり頭に霧が掛かってる感覚もあるが、別に生活に支障をきたす程度でもない。
　

ここは日本の東京。
それなりに頭の良い高校に通って
部活も頑張り
友達にも恵まれていて
クラスではそこそこの存在感もある。
二年生ながらすでに進路についても考えてある。

なんて素晴らしい人生なんだ！

目を覚ますため上半身を起こす。
それにしても視界がぼやけて全く周りが見えない。何度も目を擦るがぼやけ具合は改善されない。

まだ脳ミソは起きていないがセットした覚えがないアラームが気がかりで、本日の予定を確認するためスマホを取ろうとまた手探りで探す。

「…あれ、スマホどこだ……」

　

耳に入ってきたのは男の声だった。