【d!】前世は打ち首今世は入れ替わり (ページ4)

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頚は木の板の窪みにはまり
しっかり固定される。

さっきまでの冷静さが嘘のようで恐怖と不安に押し潰されそうになる。涙を止めたくて唇を噛むと嗚咽が漏れた。そんな声に誰も興味なんかしめさない。

怖くて堪らない。
自分の頚が、なんて。

頭はすっかり固定され視界には一切の変化もないが国民の声は大きくなるばかり。だが何を言われても心が動くことはない。

恐ろしくて見ることができなかった総統様たちの顔ももう自ら見ることはない。

__たった数分の間Aに変化があった。
それは総統と幹部に対する思慕の念。

尊敬や敬意は形を変え激しい嫌悪感と憎悪に
信頼と信用は疑心に変わった。

執行人であろう人の足元が視界に入る

?「諸君、静粛に」

総統の声を合図に国民は静まる。時計の針が12時をさす前なのだろう。
数秒の沈黙が流れると鐘が鳴りはじめる。

張りつめた空気その音を誰もが黙って聞く。
鳴り終わりと同時に総統が高らかに宣言した。

?「打ち首、執行！！」

鉄の塊が振り上げられる。

頚に冷たい感触、鈍い音と共にゴロっと重々しい頭が転がった。視界には青空が広がる。

少しの間意識が残るのは本当らしい。

頭に霧が掛かったように霞んでいく。

痛みは不思議とわからない。

やっぱり、思い出せない。

「…だって、わたしっ…なにもしてない、のに……」

本当に悔やまれる人生でした。

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ﾋﾟﾋﾟｯﾋﾟﾋﾟｯ

頭がぼやけながらもゆっくりと目を開ける。
まだ半分夢の中にいて風呂のぬるま湯につかっているような心地の良いかんじ。

ﾋﾟﾋﾟｯﾋﾟﾋﾟｯ

「ぅう゛ーん」

アラームによって現実に引き戻されかけ、手探りでスマホに手を伸ばして何度も画面を押し感覚でアラームを止める。

窓からカーテン越しに差し込む柔らかい朝日が眩しい。起きたばかりの私には大ダメージだが少しスッキリする。

長い夢だった。