【d!】前世は打ち首今世は入れ替わり (ページ17)

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ゾムはAもといコネシマのことを凝視する。もう一度同じ動きを繰り返しどうにか伝えようと努力する。すると、ゾムの顔が明るくなった。何か思い付いたようだ。

消しゴムを差し出してきた。

違う、なんでそうなった。
こちらが首を横に振ると今度はシャーペンの芯を出した。何も伝わっていない。首を振り否定するとゾムは眉間にシワを寄せて不機嫌になり諦めたようだ。
鬱の方はこちらを見る気配すらない。

先生は痺れを切らしたのか出席簿を開いた。

「19番は、」

異様な焦燥感に駆られる。
そんな中、ポケットにある生徒手帳の存在を思い出した。
ポケットを漁ろうと手を出す。

「えーーー、」

だが、名前が読み上げられるかもしれない緊張で無意識に手が止まってしまった。身体が更に火照る。

「こ、……」

こ……？

「小山！！」

小山らしき人から、ぅえ？と小さな声がこぼれるとクラスにどっと笑いが起きた。
お前かよ～、絶対寝てたやん！クラスメートからの総ツッコミがなされる。小山はまだよく状況が理解できていなさそう。てか、誰だよ小山。

コネシマじゃなかった、と心の中で胸をなでおろし苦笑いでその場に馴染もうとする。全身の力が抜けたが、まだ顔が火照っていて暑い。嫌な汗をかいてしまった。

授業後に確認すれば19番とは僅かに離れていた番号であることを知った。