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ひとまずホッとした。安心のあまり膝から崩れ落ちる。
「なんとかなった……」
まだ心臓が跳ねていて、しかも妙な達成感がある。しかし、大きな壁紙がAの前に立ち塞がっていたのだ。
「…明日、学校か」
今日は日曜日で明日は月曜日。通常どおりなら普通に学校があるはず。
「休んだら流石に不味いかな。」
何度も言うがいつ戻るかわからないのだ。自分の本体が無事か、わからない不安もあるが今はどうしようもないことも重々承知である。それならいっそ、早く慣れるしかない。
「…行くしかないか、明日」
そうと決まれば即行動。こういう肝っ玉が据わってるところは軍人時代そのままなのかもしれない。
今日は気絶がほとんどで時間を無駄にしてしまった。ならば残った数時間で明日へ備えなければならない。
スマホにはパスワードがかかっておらず何でも調べ放題。物騒だな。
通っている学校を知るためには部屋のどこかに在るはずの生徒手帳を探すのが一番手っ取り早い。
通学バックも明日使う予定の教科書やノートも、そんでもって制服もどこにあるかわからない。
それどころか、この家の間取りも知らない。
よくよく考えればまだ出てくるかもしれない。寝る前にやることがいっぱいだ。
「なんか、ホント、疲れたな…」
慣れない環境に慣れない体、起きたら二度と会いたくなかったコネシマになってるし、やっぱり訳がわからない。初めての経験に体も心も疲れきっている。
それにしても、今日は変な汗をかきまくった。
「お風呂入りたいなー。………ん？」
Aは気付いてしまった。今の自分がコネシマであること。いや、それはとっくにわかっていたが大切なところを見逃していた。
困惑と動揺で今まで眼を向けもしなかったこと。
「私って今コネシマなんだよね」
股間のあたりの違和感。具体的に表すのなら男にあって女にないもの。
「…………………………。」
数分の葛藤の末、確かめることを決心する。
男の女々しい叫び声が近所に響いたらしい。
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作者名：跳ね子さん | 作成日時：2024年3月17日 1時
